★当サイト独断的幻想人物解釈
ゲーム概観/
伯雅/羽鳳/思乾/
芸真/燕起/糜香/百月/慕盈/
蜀の皆さん/魏の皆さん/呉の皆さん/
道士な皆さん/人間じゃない皆さん
※四魔将ルート、羽鳳エンディングを基本に各種語り。
★ゲーム概観
幻想三国誌。「志」にあらずして「誌」。鄭問の三国誌もこっちの字ですし、少なくとも彼方ではこっち表記の方がメジャーなのでしょうか。という以前から存在だけは「幻想水滸伝のパクリかよ!」と噂になってた台湾製ゲーム、日本上陸。日本語版はファルコムから発売中。
公式サイト →●
詳しいことは公式で!…とか言っちゃったらこのページが存在する理由もなくなるので、おおまかな感想を以下。
三国時代を舞台にしつつ、はっきり言ってストーリー的には三国時代じゃなくても別に構わない、かも。とはいえオリジナルアレンジされた隆中対から華容道までを体験するのは、なかなかに面白い。
寧ろ本筋のストーリーは黄帝と蚩尤の鹿の戦辺りの絡んだ伝奇モノ。とはいえ彼らの言う3世紀から数えて「千年前」って寧ろBC1050(との説もある)殷周革命の方が近いし(神話時代がそれより新しいってこともなかろうよ)。元々神話自体が殷周革命をモデルとした面もありつつゲーム内での捉え方がかなりそっち寄りで、主人公の両親がそれぞれ姫姓と姜姓だし(笑)、各種アイテムの中には封神キャラの名を冠したものも多数(しかし表示の問題か大抵漢字が間違ってる)。
イマジネーションを膨らませる面白そうな要素を一緒くたに詰め込んだ、というのが舞台装置を言うには適切かもしれない。
パクリ!と目くじらを立てるのではなく、本歌取りの楽しさを知ってる同人体質の人間なら結構面白いゲームなのではないかと思いました。ゲームシステム的には申し分ないし、寧ろオリジナルストーリーが好みかどうかにかかってるような。
昼メロばりにお約束も入る、純愛路線の感動系ストーリー。沢山いる女の子達の何れかとラブエンディングを迎えるといいつつ、基本的なストーリー分岐は2種類のみ。なので物語的な始末がついた後のラブ要素が寧ろ蛇足っぽい(死)。弟×姉スキーとしては良い夢見させて貰ったぜ!(笑)
……というのも個人的な感覚なので、やっぱ些末が気になる人は駄目かもしれないけど(苦笑)。
無双のビジュアルデザインとかパクリまくりですもんね!!(笑)そして卵から育成する印獣がポケモン……って、ピ●チュー!?(笑)でも印獣の中ではピ●チュー役に立たない方かな……。
■姫軒(伯雅)
優柔不断で決断力のないシスコン主人公(言いたい放題だな)。
頭が良くて穏やかな正義漢、という設定みたいだが、甘やかされて育ったボンボン臭が…。
天若宮を裏切ったとされる両親の汚名を雪ぎたいとか、行方不明の姉を捜すとか、平和の為に劉備軍に協力するとか、目的の為に邁進するというより状況に翻弄され流されまくる型ヒーロー。
→(以下ネタバレ反転)実は、前世は黄帝の配下である風後。主君の想い人に惚れられて天下人の三角関係に巻き込まれる。が、テメエだってまんざらじゃなかったんだろー?黄帝の命令で恋敵の蚩尤を討伐し、返す刀で主君にざっくり粛清される。
『史記』五帝本紀には黄帝の業績として「風后・ 力牧・ 常先・ 大鴻を挙げて民を治めさせた」とある、風后のことだと思われる。
鄭玄曰く黄帝の三公。『帝王世紀』によれば黄帝が夢で大風が吹いて天下の塵垢をみな取り攫うのを見て、「これだ!」とばかりに名前で登用した人物とされる(…)。海隅にいたのを、引っ張り出されて相となったとか。いいのかそれで。
そう聞くと政治向きの人材かと思わせるが、『芸文志』には 「風后兵法十三篇、図二巻」があったと書かれてたりして、戦向きの人とも思えたり。ていうか架空の人だしネ!(禁句)
『史記』では人にされてるけど、名前からすると原型は風神なのかなぁという気がする。風伯みたいな。后が後ろでなく皇后の方の意味なら、女性神だったかも。この辺りどの時代に発生した神か定かではないので、断言しづらいとこがあるけど。
■姫霜(羽鳳)
こっちこそブラコン全力投球なお姉さま。どうせ血の繋がらない姉弟ネタなんだろとプレイ前から睨んでたら、案の定そうだった。が、曹操の娘とまではわからなんだ(笑)。苛烈な性格は父譲り?と思いきや、思い込んだ途端に視野がめちゃくちゃ狭くなるのは弟と同じ。氏より育ちか。
非血縁だと知ったどさくさで自分の感情が家族愛から逸脱することを自覚し、このまま姉として傍に居られない!失踪。
自分を捜して右往左往する弟一行を、バレないように尾行するストーカー姉に進化する。二度とパーティーに戻らないので、贔屓して育ててたプレイヤーは悲嘆に暮れた……。
→(以下ネタバレ反転)前世は炎帝の娘、鳳儀氏。炎帝・黄帝・蚩尤の天下三分維持にちょっと自信がなくなってきた、最近落ち目の炎帝が黄帝と蚩尤を仲違いさせる為に送り込んだ最終傾国兵器。彼女自身は黄帝の部下である風後のことを慕っていたが、愛する人は嫉妬の鬼と化した黄帝に殺され、彼女自身も蚩尤による「自分を愛する相手によって殺される」呪いがあるので、恐らく黄帝に殺害されたのではないかと思われる。黄帝の4人の妃の中にいないし。
その後、転生する度に呪いが発動、非業の死を遂げていたらしいが、今生でも過去の因縁に巻き込まれてモテヒエラルキー女性部の頂点に立つ羽目に陥る。
彼女に相当する女性の名は、少なくとも『史記』には見当たらない。とはいえ伝説も色々あるのでゲームの架空キャラと一概に断じるのも今は保留しときます。寧ろ鹿の戦を牧野の戦にオーバーラップさせてる気配が濃いので、妲己ポジションと言えなくもない、というか。
姉として弟を守ることにアイデンティティの全てを懸けてる、一種歪んでるというか不器用な生き方が物凄く好きなんですが、そうでありながら口先では拒絶してる思乾にかなり惹かれていたのも事実ではないかと。
■温青(思乾)
金持ちの道楽息子という設定だが、外観は穏やかな文士風。主人公と義兄弟の契りを結んだのが縁で、行く先々の家産を売り払って劉備陣営の経済援助に励むパトロンとなる。ていうか良くも悪くも、世俗の金銭が今後の自分に必要でなくなると知ってたからこそ物惜しみしなかったのだと思われ。
武芸はからっきし、というポーズを取りながら軽功とか使って、弟一行をストーカーする姉を更にストーカー。
こういう一見善人の奴に限って絶対何か裏があるよ!と危ぶんでたら、案の定だった。
→(以下ネタバレ反転)前世は黄帝、しかも自覚アリ。そりゃ初対面の羽鳳を口説きまくるよな、と。
前世の罪を懺悔して善人ぽく死んでいく四聖獣ルートよりも、悪の黒幕!全開で罠張りまくり人殺しまくり高笑いしまくりの四魔将ルートの方が、絶対に陛下らしくてお似合いだと信じて已みません。だって前世でも今生でも諸悪の根元だったのは確かじゃん。
千年かけて手に入れようとした愛する女に殺される結末も、ある意味報われたという風に受け取れなくもない、両者ともその自覚があって殺し殺されたなら、結構な両想いだったのかもしれない…と思わなくもなかったり。
■貂芝(芸真)
男勝りで喧嘩っ早い弓っ娘。その正体は呂布と貂蝉の間の娘…って濃いな…(汗)。メイン人物の中では一番三国キャラに近い出自。
両親の悪いトコばっか似たというか(特に内面)、母は未だに口説かれてるのに娘の方は美少女としてモテモテだという話も聞かないので…父に似ちゃったのだろうか。曹操と劉備を父の仇と付け狙っていたが、劉備の民を思う善人っぽいオーラに牙を抜かれる。 騙 さ れ な い で !
伯雅のことが好きなんだけど素直になれない少女、というポジションは今時の正統派ヒロインなんだが、羽鳳のことをめちゃめちゃ敵視してるので姉スキーたる梓のウケは悪い(なかなか回復させて貰えない)。
■燕起(君皓)
主人公の義兄その2、というか即席三兄弟の長兄。彼は彼で人生色々あったらしい。死んだ婚約者そっくりの慕盈に惚れる辺り、過去に縛られてる人なのかとも思ったが、そんな彼の拘りは自分と婚約者の命の恩人だった周瑜への恩義を振り切って伯雅の側に付いた時に、一緒に昇華されてるんではと思いたい。
大らかに包み込む度量を持った好青年なので、はっきり言って受体質の伯雅はコイツとくっつくのが一番幸せになれるよ…(そんなルートはありません!)。
■糜香
プレイ前は糜夫人をアレンジしたキャラかと疑ってたら、井戸に落ちて死ぬ人はちゃんと別に存在。
孔明に育てられたという不幸な生い立ちの(笑)、おっとり系のお嬢さん。不思議な力があるとか言ってたら、実は天人族だったそうな。
一度は死ぬが、伯雅は糜香のことが好きなのだと誤解した(!?←姉スキーの偏った視点)百月の術によって復活する。百月ルートだとひょっとして甦らなかったりするのだろうか(知らない)。もう一度プレイするなら、実は彼女と幸せになりたい梓。
敵兵の死にも涙する過剰な優しさと共感は、天人という種族だから…ではなく、孤児としての彼女の寂しさの裏返しなんじゃなかろうか。
■百月
ロリっ系お元気少女だが、千年白狐が人に化けた姿らしい。物凄い若作りですね!!
無邪気っぽく見えて、えげつない詐欺の手法には長けてる隠れ姐御…男なら好みなのに(エェ!?)。
姉妹のように仲の良かった糜香を甦らせる為、お腹の子供を生かす為、自らの肉体と等価交換で秘術を行う。
……………訊いていいですか?誰の子?
そこに至るまで狐の彼氏がいたとは聞いたことないし、伯雅が密かに手ぇ付けてたとは思いたくないし(笑)、……孔明だったら笑うなぁ。糜香トコに入り浸ってた訳だし、マジで風呼ぶあの男が人間だとはどうしても思えない…(笑)。
■虞氷(慕盈)
我が父は一番好みのタイプらしいが(のクセ全員に愛想振りまきすぎて芸真エンド)、正直登場が遅かったのもあって今ひとつ印象が薄い天若宮師範代の少女……。真面目な委員長タイプなのかしら、ていうか運動部部長?
それこそ彼女が伯雅に好意を抱いた理由がよく解らなかったのだが、にしても姉や芸真と違って理性で抑え込める範囲内だったのは、彼女が元々ストイックな性格である上に、そんなのめり込む程の時間がなかったからではないかと推測。
片想いでやきもきしつつも義弟に敵愾心を抱けない燕起が哀れだったので、なんとなく漫然と奴に好意的な選択肢を選んでたら、大抵の場合勝手にゴールインしてる。ごっつぁんです。
■蜀の皆さん
赤壁直後くらいでストーリーが三国志の流れから外れるので、蜀と言うより劉備陣営か。
趙雲が無双2ビジュアルなのが気になって気になって平静でいられなかった…割には助っ人自由に呼べる時は子竜どの連れて行きました…(懺悔)。関羽・張飛・趙雲のいずれかがパーティに入る際、絶対に一時に二人以上は参入しないので、大抵の場合一揃えの装備を三人で使い回しすることになる。
ぼーと突っ立ってるキャラに関しては、孔明は時々アイテムくれるから話しかけることもあるが、劉備は毒にも薬にもならないことしか言わないので素無視が専ら。
何故か荒廃した洛陽で少年時代の姜維が母と暮らしていたが、全然ストーリーに絡まないし何故そんなトコにいる…。
■魏の皆さん
曹操さまが親馬鹿チック。如何にも娘を持ったお父さん的に、伯雅を生きたままふん縛ってきてお前の婿にするから!とか出来もしない約束を交わしたりする。あとは曹仁が結構目立ってたり、夏侯惇が無闇に巨躯だったり(笑)。張遼とか徐晃以下は汎将ビジュアルだったが、基本的に一般的な将軍クラスは無双張遼をモデルとしているとしか思えない。
ていうか神意派の人々、どう見ても無双張コウだよな……。
「虎将軍」という表記の人が出てきた時はすわ虎痴どのですか!?と動揺したが、単に虎彪騎所属の無名人だったというオチ。
曹植に想いを寄せる娘さんが切なかった……。
■呉の皆さん周瑜と魯粛と程普しか出て来ない。しかも程普は何の為に存在するのかよく解らない(突っ立ってるだけ)。周瑜を讃える為だけの存在?悪人悪人言われてる程に悪いことしてなさそうなのは、一般的な演義モノと変わらない周瑜どの。日本語訳にした人間が血迷っていたのか元々台湾からしてそう表記してたのか、都督でなく「提督」呼ばわりしてたのが気になるといえば気になった……。あ、美しいですね周郎!そこはライト系萌えゲー(?)なんだし押さえて頂いて満足。
■道士な皆さん
水鏡先生が黄帝を祀る宗教団体、天若宮の教主だという話から始まり、主人公姉弟の育ての親代わりをやってた徐庶も、元天若宮関係者。ていうか徐庶に妹が!(笑)水鏡一門、揃って道士にされている…。
司馬懿と言えば、天若宮を私物化して好き勝手する寧生神信者のスパイ…………だったが四魔将ルートでは更に黄帝側にあっさり寝返る。ていうかどっちにしろ敵なんだな、親切にも。
■人間じゃない皆さん
当面のラスボス蚩尤は呂布の死体を乗っ取って復活準備中。芸真って父の姿をした者と戦う葛藤より、父の姿をした蚩尤が気に食わない羽鳳に求愛してることの方を嫌がってそう…(笑)。四魔神ルートでは意外に純情なところを見せ付けて、羽鳳に庇って貰っちゃったりしたことから伯雅の嫉妬を買う、オイシイかもしれない役どころ。
四聖獣はこれ仲間にしたらキャラ立ってて可愛いんだろうけど、四魔将は可愛くない奴ら……。掃き溜めに鶴、4人のリーダー格の天魔将さんはちょっと狙い過ぎと思わなくもないが、素直に二枚目青年です、萌えます。夜魔将は…男性の方ならあのお色気っぷりも心地よいのでしょうが…。
四聖獣といえば、これまた美青年の青龍さん。会話文横のイラストでは前髪あるのに、画面上のチビキャラがどう見てもレゴラスに槍持たせた風のデコっぱちだったりして……オイオイ。