『暗くなってきたのぅ。』
『山は陽が沈むのも早いから。麓に下りる道を探さなきゃ。望ちゃんはここでまってて。』
『イヤだっ!!ワシも行く!!』
『そんなコト言ったって…望ちゃん。キミ、右足挫いて倍くらいに腫れ上がってるんだよ?その足で歩き回るのは無理だよ。下山するのがやっとだよ?』
『イヤだ!イヤだ!!置いていかないで…ひとりにしないで…。』
ずっとずっと昔の記憶。泣いて嫌がった君に『置いてきぼりにしない。』って約束したっけ。
2人で山中で一晩明かして、白鶴が見つけてくれなかったらどうなっていたかな?今頃。
こんなこと今まで忘れてたのに。今になって思い出すなんて不思議だよね。
状況が似てる所為かな?
望ちゃんってばいくつになっても涙腺弱いんだから…。
…でも、今度はホントに置いてきぼりにしちゃった。
約束破ってゴメンね。でも、これしか方法がなかったんだ。わかってくれるよね。
望ちゃんってば…まだ泣いてる。キミがいつまでも泣いていたら皆が前に進めないじゃない。ダメだなぁ…。
ねぇ、望ちゃん。置いてきぼりにしたわけじゃないんだ。ただ、姿が見えないだけで。
ホラ。ずっと君の側にいる。
君を包む風になって、いつも君を守っているから。
凍える寒さの中にいても、吹きすさぶ嵐のただ中にいても、君が傷つかないように僕が守っているから。
だからどうか前に向って歩み続けていてほしい。
先に大きな困難が待ちうけているとしても、恐れて立ち止まっていては何も始まらないし、終わらないんだ。いつか穏やかな季節(とき)に辿り着くから。
だからどうか…愛しい人よ…。
その時、岩陰に蹲る太公望の髪を優しい穏やかな風が攫っていった ―。
〈了〉
※ここからあずさコメント。
残念ですが……破棄しないもーん(笑)
かなりレイアウト変更してしまったんですが、……重ね重ねすみません……。
某K姐さん(正体を伏せておくように頼まれました…)からの素敵なリリカル普太ですvv
いやあ、リリカルです、ロマンです、愛ですねっ!!(言語意味不明)
普賢の想いが切ないですよ……よよよ(T_T)
『永遠に』は楊太ソングだとか普太ソングだとか巷で色々話題ですが、これを読んだ今、普太ソング説に傾きそうな勢い。
姐さん、どうも有り難うございました!!