さくぶん:ぼくのお母さん
ぼくのお母さんはまふぃあのぼすです。ぼんごれふぁみりーとゆう大きな一家をたばねて黒しゃかいにおそれられているそうです。これを言ったのはりぼーんです。りぼーんはお母さんのぶかですが、ほかの人たちとちがってお仕ごとをしているのを見たことがありません。いつもお母さんのそばでだらだらとしていて、ことばづかいもらんぼうです。ほかのぶかたちはお母さんにとてもていねいです。ぼくとごはんを食べたりいっしょにてれびげーむをしているときはやさしくておもしろいお母さんです。だけどみんなはかっこよくてしぶい人だと口をそろえて言います。神さまみたいにそんけいしているそうです。ぼくはそれをきいてすごいなあと思いました。
作文のしゅくだいが出たとき、お母さんのことをかこうと思ったのでお仕ごとしてるすがたを見学したいと言ってみました。お母さんは「いいよ、おもしろいもんじゃないだろうけど」と言って、りぼーんも「えいさいきょういくのつもりか?ぼす」とにやにやわらっておもしろがっているようでした。お母さんは「うっさいなあ、ばか」とおこっていました。そこでおとといお母さんのしつむしつにいっしょに出きんして、一日お仕ごとぶりを見てきました。お母さんはつくえにすわって、むずかしそうなしょるいをよんだり、時どきぱそこんの画めんを見たりしていました。ぼくもしょるいを少し見せてもらいましたが、むずかしくて内ようはよくわかりませんでした。お母さんは「いたごがふつうによめるだけでお前はゆうしゅうだよ」と言ってくれました。お母さんは日本というくにから来た人で、とてもいたりあごのよみかきに苦ろうしたそうです。おとといはじめてきいたのでとてもびっくりしました。ぼくが今から日本ごをおぼえようとしても、とても大へんで苦ろうすると思います。そしたらお母さんは「お前も少しは日本ご知ってるよ」と言いました。時どきお母さんはかんぶたちやりぼーんとはなす時に日本ごをまぜたりするのです。ぼくはそれが日本のことばと知らずにおぼえていました。たとえばお母さんがりぼーんに言う「ばか」というのも日本ごです。いたりあごで「scemo」とゆういみてす。りぼーんは「Ti amoのいみだぞ」と言いますがぜったいうそです。
なのでぼくはさっそくお母さんのへやに入ってきたごくでらに「ばか」と言ってやりました。「あ゛ぁ!?ここはがきのあそびばじゃねえんだ、出てけ!!」そふぁでおやつのけーきを食べているぼくに向かって、さるみたいにはをむいてごくでらはどなりました。こいつはとてもおこりっぽくて、いつもぼくを見るたびに「十代目のお手をわずらわせるな」「がきは外であそんでこい」と、うるさくけんかをうってきます。お母さんの一ばんのぶかだと自分では言ってますが、ぼくとお母さんはなかよしなのでじゃましてるのはごくでらの方です。ごくでらとぼくがけんかしていたら、お母さんはいつもぼくのみかたをしてごくでらのことをしかってくれます。「何うちの子いじめてんのごくでらくん!君の大ごえがじゃまだよ!」この日もお母さんはごくでらをにらみつけて、そうしたらごくでらはしゅんとしてしまいました。いつもおこられてるんだから、ぼくへのたいどを直したらいいのに直さないのでやっぱりごくでらはばかです。あわててもってきたしょるいをつくえまではこんでいきましたが、そのまえにお母さんにはきこえないくらい小さなこえで「おぼえてろよてめぇ…」と言いすてました。本当にばかなやつです。あんなやつをくびにしないお母さんは心が広くてやさしいぼすです。
それからしょるいを見ながら、お母さんとごくでらは長い時かんはなしていました。とちゅうから山本もやってきて、三人でむずかしいかおをしていたので、お仕ごとで何かこまったことがあったのだと思います。あとから来た山本はやっぱり先にかえって、去りぎわにぼくのあたまをらんぼうになでて「またやきゅうしてあそぼーな」と言ってくれました。ごくでらの友だちとは思えないくらい山本はいいやつです。ぼくがそふぁにいるのを急に思い出したみたいに、ごくでらがこっちを見ていやそうなかおをしましたが、お母さんにおこられるのがわかっているのか口では何も言いませんでした。おはなしのさいごにお母さんは「たよりにしてるよ」とごくでらのうでをたたいて、ごくでらは「おまかせください」と言いながらお母さんの手をとって口づけていました。あんなにばかでも、ごくでらは大人だからお母さんにたよりにされるんだと思うととてもはらが立ちます。うちにはお父さんがいないので、お父さんの分もぼくがつよくなってお母さんを守らないといけないのに、お母さんのまわりにはりぼーんやごくでらや山本がいてぼくよりたよりにされているなんてひどいです。ぼくが一人でぷりぷりしてたら、向かいがわのそふぁでずっとひるねしてたりぼーんがむっくりおき上がって、「みけんにしわよってんぞ。こわいかおしてたら女の子にもてねーんだからな」とわらって言いました。「え、どうしたの?たいくつ?」そうしたらお母さんはすぐにしょるいから目をはなしてしんぱいそうにぼくを見ました。「ううん、早くお仕ごと手伝えるようになりたいなあって」とぼくが伝えたら、お母さんはすごいいきおいで立ち上がって「みつくにー!!」かけよってくるとぼくのことをぎゅうぎゅうだきしめてくれました。こうゆう時のお母さんは力かげんができていないのでぼくのせぼねはとてもいたいのですが、お母さんが二どとはぐしてくれなくなったらこまるのでもんくを言ったことはありません。「お母さんかんどう!なんてよい子なんだー!!」「こんのおやばかが」かんどうに水をさすのはりぼーんのやくめで、ぼくがお母さんにだきつぶされずに生きてるのはりぼーんのおかげかもしれません。「わるかったな!…なあ、みつくに」おちついたお母さんはぐしゃぐしゃになったぼくのかみをなでながら、にっこりわらってかおをのぞきこんできました。ぼくをだきしめた時からお母さんはじゅうたんにひざをついているので、目せんの高さは同じくらいです。「仕ごとなんて手伝わなくてもお母さん、みつくにが毎日元気であそんだりべんきょうしたりしてるだけでうれしいんだ。みつくにが元気にしてるとおれも力をもらえるから、仕ごとだってがんばれるんだよ。ぜんぶみつくにのおかげなんだから」「ほんとう?」「うんほんとほんと」「ほんとうだ、こいつはばかだからうそなんかつけねーぞ」「いいしーんをじゃますんなよ!ばかはおまえだろりぼーん!」それから二人は日がくれるまでばかばかと言い合ってました。
ぼくは早く大人になって、ごくでらよりゆうしゅうな右うでになりたい気もちは今もかわりません。でもすぐには大きくなれません。お母さんが元気なぼくがすきだと言ってくれるから、ぼくは毎日元気にくらしてすこしでも早く大きくなろうと思います。おべんきょうもいっぱいしてかしこいまふぃあをめざします。そしてお母さんも毎日元気だといいと思います。ぼくはやさしくてかっこよいお母さんが大すきです。
一年A組Mitsukuni Vongola
「これ見た!?読んだ!?読めよ!!」
「……ツナ、嬉しいのは解るけど人格変わってるわよ」
「ビアンキ〜!!」
誰彼構わず息子の作文を見せびらかしていたツナは、興奮のままビアンキの胸に飛び込んだ。
「俺格好良いんだって!大好きなんだってさー」
「良かったわね」
ビアンキがよしよしと頭を撫でれば嬉しそうに擦り寄っている。……テメエの方がガキみてーだぞ。
「嫉妬は醜いわよ、リボーン」
すかさずチェックを入れられる。ったく、女ってのは目聡い生き物だな。
「でも隼人にも困ったものねぇ……」
しかし、と光圀の作文を取り上げてビアンキは溜息を吐く。光圀の色眼鏡もあるだろうが、確かに大人気なさが文面からぷんぷん臭ってきやがる。
「え、でもあの子達仲良いよ?」
「……ツナ、現実を見据える強さを持て」
さり気なくビアンキの腕から取り返しつつ、肩を掴んで正面から対峙してみた。
「?」
こいつの眼は完璧に疑いを抱いていない阿呆の眼だ。
「だって光圀のこと一番可愛がってんのって獄寺君だよ?本人には伝わってないみたいだけど」
何処のツンデレの話だ?……指摘すんのも馬鹿らしくなってきた。
「リボーンも可愛がってくれてありがと?」
「ふん、契約だからな」
「はいはいごちそーさま」
肩を竦めつつ、作文を持ったままビアンキが踵を返す。気を遣ったのかと思いきや、
「皆に見てもらうなら電子化してファミリー内メールにすれば手っ取り早いでしょ?」
「うわぁ、頭いい!よろしくねビアンキ!!」
「…………………」
少なくとも、親馬鹿でコイツらに敵う奴はいねぇ。
2006.09.11付のブログで書いてたみーくん(偽)、やっぱり始めました。
何が馬鹿って、小学一年生の作文を素面で捏造してた梓が馬鹿だと……。