きゅいーん。



「映ってます?」

郭嘉「映ってます映ってます、はい笑って下さいね〜〜」

郭嘉いそいそとフレームイン。規定位置に二人着席。

郭嘉「んじゃ、今から郭嘉のラブ日記……」

「(じろり)」

郭嘉「………じゃなくて(冷汗)、戦記2の戦果報告を始めましょう」

「そもそも、何故普通の報告書じゃないんです?」

郭嘉「だってー、主公が面白いのじゃなきゃ読む気がしないって言うんですもん☆
   だからビデオレター方式で、人事担当の文若どのと戦部門担当の俺がリアルタイムで戦の流れを語るってことで……」

「……(溜息)。では、早速曹操編プレイと参りたいところですが」

郭嘉「劉備編の序章をクリアしないことには、本編に入れないんですよね、システム上」

「こちらの戦闘には我々は参加しておりませんが、特別にゲストをお招きしましたので、お話を伺ってみたいと思います」

郭嘉「ささ、曹洪どの。こっちの席に」

曹洪「やっほー!…って、何で俺姓名で呼ばれなきゃなんないの?」

「あくまでもこれは報告書の代用ですので、後々分かり易いように全員を姓+名で呼ばせて頂きます。よろしいでしょうか?」

曹洪「ん、出演料さえ貰えれば何でもいーけどさ」

「司空府の予算からは出せませんが、主公が後ほどお手当を下さるそうです」

曹洪「やりぃ!」

郭嘉「(何時の間に交渉したんだ…)で、曹洪どのは劉備んトコで何やってきたんです?」

曹洪「いわゆる援軍。劉備の野郎、間借りさせてた呂布に下乗っ取られやがって、ウチに逃げ込んで来たの。知ってるよね?」

「……………ええ(微笑)」

郭嘉「(まず!機嫌悪!)でも勝たないとゲームオーバーなんじゃ…」

曹洪「それは初戦だし、なんか懇切丁寧な解説付きの戦いで圧勝したらしいケド。ほらアレ、試合に勝って勝負に負けたってやつ?」

郭嘉「ああ……」

曹洪「で、何を思ったか主公、子孝兄…じゃなくて曹仁兄と俺を勝手にレンタルしやがったの。
   あの呂布相手に、自分の得にもなんない戦させられてさー、とんだ災難」

「ご苦労様でしたね」

曹洪「まあ、主公からお駄賃貰ったけどねー」

「主公は公的予算の使途には厳しい方ですけど、私費の使い方はかなり鷹揚ですよねぇ」

曹洪「うん、あの人ボンボンだし自分ち以上に金持ってる奴いないと思ってんの。伯父さん、小遣いの工面に苦労してたよー」

郭嘉「ちょっと……コレ、主公も観るんですケド?」

「まぁ……そうでしたね、ふふっ」

郭嘉「(確信犯かよ!)そ、それで、劉備軍ではどーでした?」

曹洪「……それがさぁ、聞いてよ!」

「はいはい」

曹洪「助っ人の俺たちを連れて、劉備は呂布相手に喧嘩売ることになったんだけどさー」

郭嘉「ほいほい」

曹洪「あっちは4人で、劉備が5人まで部隊に組み込めるじゃん?普通に考えるなら桃園三兄弟+俺たちでしょ?
   あいつ、『1では二軍団まで投入出来た筈だ!』とか言って部隊分けやがったの」

「それは………」

曹洪「戦場に着いたらさあ、劉備も張飛もいないの。関羽・糜竺・曹仁兄・俺の4人で、呂布・高順・陳宮の軍に挑んだりするわけ」

郭嘉「アイタタですねぇ……」

曹洪「三兄弟出なくて何が劉備編なんだっつの!あの呂布と陥陣営だよ!あの時は温厚な俺でもキレたね!!」

郭・荀「(温厚…?)」

「……そんな戦から無事生還されて……良かったですね」

曹洪「うん、地味ーにちっちゃい連鎖つなげて、何とか呂布一人にまで減らしたんだけど、またアイツ強いの」

郭嘉「でしょうねー」

曹洪「と、その時奇跡は起こった!はい、ここ驚くポイントだから!」

ずずいとカメラに接近する曹洪。

「…………はあ(引き気味)」

郭嘉「(クサいよな……)」

曹洪「(冷たい反応は無視)一応端の方に呂布追い詰めて連鎖かけようとはしてたんだけどさ。
   アイツまだまだ元気で、もうちょっとかかるなーてかんじだったの。で、関羽ー、曹仁兄ーときて、俺の援護で三連鎖の予定だったワケ」

郭嘉「(読めてきたぞ……)」

曹洪「そこで何と莫逆援護!!知ってる!?仲良い相手と出来る必殺技!!」

「はい、友義武将戦法ですね」

曹洪「そう、それ!俺と子孝兄、仲良かったんだー(ぽわわん)」

郭嘉「従兄弟同士っスからねえ(冷)」

曹洪「(聞いてない)俺たちのお陰で四連鎖!?とか喜んでたら、糜竺どのがいきなり乱射かまして五連鎖。いいヒトだよね、彼」

「(現金…)文官にも活躍の余地があるのですね、励みになります」

曹洪「うん、そんでもって呂布敗走しちゃって。糜竺の矢で死んだ呂布なんて、広い三国志界でも前代未聞じゃない?」

「ですね(笑)」

曹洪「ま、それもこれも俺と子孝…じゃない、曹仁兄の愛の力がもたらした奇跡のおかげなんだけどねっ

郭嘉「オチはのろけかよ……(小声)」ぱちぱち

郭嘉、やる気なく拍手。

「――実は、事前に曹仁どのに事実関係の確認をさせて頂いたのですが」

曹洪「!!(ぎくり)あ、本当は愛じゃない力だったかも……」

「……莫逆援護を喜んでおられましたよ、『お陰で助かった』と伝えてくれと」

曹洪「…………そっかぁ…………(じーん)」

郭嘉「(つくづく何時の間に……)さすが文若どの……タラシ技炸裂……」

、こっそり郭嘉の足を踏んで捻る。

郭嘉「痛!」

「今日は面白いお話をありがとうございました、曹洪どの」

曹洪「ううん、俺も楽しかったー」

郭嘉「(復活)これで曹操編がプレイ可能になったということで、次回からは文若…あ、姓+名だっけ、荀どのと俺の二人で進行していく予定ですっ☆」

「それでは、第一回報告を終了致します」

曹洪「ばははーい♪」







郭嘉「……ね、なんか俺たちも恋義戦法出すのが楽しみになってきましたね

「あ、私たちも友好武将でしたね」

郭嘉「そんなあっさり……(T_T)」





ざざー。




曹操「なんだ……劉備編というより曹洪一人ノロケ編ではないか(呆)。しかし文若はわしに含むところでもあるのか?ぶつぶつ……」



ぴらり。



曹操「ん?何だ、『許劭の月旦評』?また懐かしい名前だな……。
   どれどれ、」

『劉表タイプ』

   か……、どこかで誰かが激怒している空耳が聞こえるが、自業自得だから諦めろ。
   戦ぶりの評価が劉表タイプだと、河川兵術書を貰えるらしいな。劉備編の筈なのに、子廉がちゃっかりアイテムをがめてきた……のか?(汗)
   川の中でも地形変化の影響を受けず移動出来る……、そういや妙才に持たせてやったんだったな。六日で千里のあいつに相応しかろうて」








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