※パラレル警報!
ていうかハガレン世界ではないので。
中世ヨーロッパの何処か。
兄12歳、弟11歳くらい。






 
 
 
彼女が滅多に足を踏み入れぬ図書室を訪れたのは、娘時分に耽溺した恋愛詩の一節がどうしても思い出せなかったからであって、決して他意があった訳ではなかった。
読み書きのあまり得意ではない彼女が唯一表紙の擦り切れるまで読み返したのが俗語で書かれたその詩集で、それを知った夫が輿入れして間もない新妻の為に取り寄せ、この屋敷の図書室にも加えた一冊を探して。幾年ぶりかは忘れたが、軋んだ音を立てる重い樫の扉を開けた。
蝶番が悪くなっているみたいだわ、使用人に命じて修理させなければ。
一家を支える夫人としての分別が働いたのはそこまでで、一歩踏み込んだ途端飛び込んできた光景に、彼女は知らず目を奪われている。
胸が苦しくなって初めて、呼吸を止めていたことに気付いた。そうっと息を吸い込み、後ろ手にゆっくりと扉を閉める。
細心の注意にも関わらず物々しい音がし、彼女はびくりと肩を竦めた。が、内心恐れていたような、静謐に包まれたその空間が一つの騒音を機に途端崩れ去る事態などは起こらず、一幅の絵は形を変えず其処に留まっている。
羨望にも似た溜息で、安堵と共に微かな落胆をも感じた。疎外感のような。
些細な一幕になど気付きもせず、兄弟はことりとも動かずにいる。
 
 
 
三ヶ月ほど前より夫が招き、現在この館に滞在している幼い「錬金術師」の兄弟が、傍目にも熱心な様子で読書に没頭している。
肩に届く長さの髪を結わず垂らした兄の方は、書架の高い所に手が届くよう設けられた脚立を椅子代わり、その低い段へと腰を掛け。髪をすっきりと短く刈り揃えた弟は、その兄と脚立に凭れ掛かるように僅かに上体を傾け、直に床へと座り込んでいた。各々別の書物を手にしているが、茶色い皮の表紙に書かれた題字すら彼女には読めたかどうか。彼女だけでない、この図書室を創設した名前も知らない人間が現世を去って以来、一度たりとて広げられたことのないだろう、書架の装飾品と思われていたような難解なラテン語の。
どう声を掛けて良いか、想像も付かなかった。
言葉が通じるのは知っている。しかし急に心許なくなる。
一日の大半を夫の用意した研究室に籠もり、客人として同席する晩餐の際も専ら実験の成果を尋ねる夫に言葉少なに応じるのみといった印象で、かつて彼らと長らく会話する時間を持ったことはなかった。しかし彼女が言葉を失ったのはそれ故でない。
日頃から毛嫌いしていた石牢のように陰気な図書室、天井近くにある狭い窓から光の筋が、埃を反射してきらきらと鮮明な一条の束となり、兄弟の身を寄せ合う場所に差し込んでいた。
北の産を思わせる、光を浴びた見事な金の髪。内側から輝きを放つように、光の粒子を撒き散らしているかのようで。薄暗い室内でそこだけぽっかりと明るい子供達は、一度だけ大聖堂で見たことのある色彩豊かなステンドグラスを思い出させた。暗闇の中に幻想的に浮かび上がる薔薇窓、荘厳なる聖書の一幕のような。
彼女の持つどんな宝石よりも美しい、透き通った黄金の瞳。彼らの小さい手に余りそうな一かかえもする書物の頁に、一心に落とされている。時折弟の方が顔を上げ、兄の耳元に顔を寄せて何事か小さく囁く。そして二人くすくすと同じ表情で忍び笑った。
一つ違いの兄弟と聞いていたが、人形のように整った顔立ちも華奢な体のつくりも身に纏う世俗離れした雰囲気さえ、双子と言って通じる程に似通っている。吊り上がり気味の眼をして全体的に造形物めいた硬質感を強く感じさせる兄に対し、よく見れば弟の方は髪や瞳の色がややくすんだ色をしており、目元に穏やかな柔和さが漂っているのだった。
大ぶりの眼や通った鼻筋といった、顔の中に配置された造型の各々は、宮廷の彫刻家が丹念に仕上げたような繊細で非人間的な端正さだった。このまま長じればぞっとする程美しくも冷たい美貌の持ち主になるかと思われる。しかし現在においては、薔薇色の頬はつやつやと輝き、ふっくりと曲線を描く顎にかけてのラインは子供らしい柔らかさと丸みを有していた。
彼女は子供達の美しさに恍惚となっていた。腹を痛めて産んだ実の娘にも抱いたことのない情愛だった。彼女はそれを信仰心にも似た感動だと感じた。
兄弟の微笑はフレスコ画の天使のようなあどけなさと同時に、秘められた叡智と神秘をも感じさせた。
 
 
 
「あ」
とうとう重みに耐えかねたか、兄の膝から滑り落ちた書物が床に接触し、ごとりと低い音を響かせた。動きを止めた表紙の間で柔らかい羊皮紙の束がはらはらと移動し、少年の読書の痕跡は跡形もなく無に帰した。
慌てて、その時ばかりは人形から人間の表情に戻って、兄が脚立から腰を上げた。
ふと目線を上げて、初めて立ち竦んでいた彼女の存在に気付いたらしく、丸い眼を更に大きく見開く。
「兄さん?」
その様子を察して弟の方も顔を上げ、驚いたのは同じようだったが次の瞬間には、表情を綻ばせて屋敷の女主人に笑みを見せた。
「こんにちは、マダム」
弟の方がおっとりと呼び掛ける。
それに伴い現実に引き戻された彼女は、突如として己の年老い衰え始めた醜い肉体を意識し、恥じる気持ちになった。薄汚れたダルマティカの上にマントルを羽織った、得体の知れない見窄らしい子供達を夫が屋敷に招き入れた時に感じた嫌悪感と、夫が下賤の女に生ませた隠し子ではないかという疑念をも、また後悔する気持ちで。
「ご機嫌よう、……お邪魔でしたかしら?」
平静を装って挨拶を返したが、気後れするのは已むを得なかった。素性の知れない子供達に対して、選ばれた貴族階級であるこの自分が、だ。
彼女自身は夫の追い求める、鉛を黄金に変えると吹聴する錬金術などは、悪魔の仕業か薄汚い詐欺師の口上だと信じきっていた。しかしこの自身が黄金のような色彩を持ったうつくしい兄弟を見ていると、神の奇跡のようなそんな不思議すら可能になってくるような錯覚に見舞われる。特に今のように澄みきった二対の瞳で凝視された時には。
「いえ。お邪魔しているのは俺達の方ですから」
どこか受け答えの固い兄に代わるよう、弟はあくまでも感じ良く――年齢に見合わぬ如才の無さと受け取ることも出来たが――続ける。
「身に過ぎたご恩、この館の皆様には感謝しております」
折衝は弟に一任することに決めたのか、兄は書物を拾う動作を再開した。大儀そうに持ち上げ定位置に戻ったが、羊皮紙の上に眼を戻さず弟と共に彼女の方をじっと凝視している。
立場の逆転に、彼女は赤面した。居心地が悪い。
「何を読んでいるのかしら?」
怯みがちな自分を叱咤して、しかし彼女はその場に留まった。
衝撃は感嘆に、憧憬は好感へと容易に取って代わった。
この時は既に、この新しい宝石を己が手中にしたくて仕方なくなっている。
「僕のこれはHistoria naturalis……鳥獣や玉石、世界の森羅万象の全てが記された書ですよ。修行中は遠い異国の風物に夢中になったものでした、旅の空でまた出逢えるとは思わなかった」
「でも、我が館にいれば何度でも読み返せますわ、そうでしょう?」
旅という言葉がちくりと胸を刺し、彼女は強く言い募った。
「凄いわ、ラテン語が読み書き出来るのね」
「全ての錬金術師が文字を解する訳ではありませんが。僕らの場合、経験で得るべき知識の多くを補う為に」
そのこと自体には感銘を受けなかった。錬金術など彼女にとっては何ら価値など持っていない。この館で召し使い、文字が読めるというなら長じては書記にでも任じて領地の経理など扱わせればいいだろうと思うくらいで。
折角二人いるのだから、一方は息の掛かった教会に送り込んで司祭とし、当家の礼拝堂を司らせるも良い。
「じゃあ聖書も読めるのね。司祭様からお聞きするだけではなく。羨ましいわ」
うっとりと語れば、弟は困惑気味の笑みを浮かべた。彼女の意図が奈辺に存在するか、推し量りかねたか。
「書物としてなら、目を通したことはありますが……」
「まあ」
祭壇に立つ少年の姿を想像して、彼女の胸は高鳴った。
夫の趣味で今二人が着せられている黒のプールポアンは、身体にぴったりと添う、腰の細さを強調するラインが瑞々しい肢体を引き立て、地味に抑えられた黒色が肌の白さや髪の美しさ、前一列に並ぶ銀のボタンまでをも星のように輝かせていた。膝上の短い丈から覗くショースに包まれた細い両脚は、若木のような躍動感と繊細さを同時に感じさせる。貴族どころか王侯の子弟にも見えるくらいにその一揃いがよく似合っているのを彼女も認めていたが、当世風の色遣いでないことだけは不満である。
薄暗い場所でもこれだけ光を放っているのだから、太陽の下ではどれだけ輝くか想像も付かないと思う。
美しい兄弟を左右に侍らせ、来客を出迎えて驚かせるのだ。今自分の感じた感嘆と羨望の眼差しが、今度は幸福な彼女自身に注がれるだろう。
特別に今の上流階級で流行している、豪華な装飾が長い袖口や裾にふんだんに縫い付けられた外衣を着せてやれば、成長した青年達にどれだけ映えるだろうか。色は鮮紅や、落ち着いた弟には清冽な青、穏やかな緑も似合うかもしれない。
その薔薇色の唇が朗読するのは難解な呪文などではなく、神を讃える言葉や、彼女の好きな素朴な恋愛詩であるべきだ。その贅沢を享受するのは夫でも娘でもなく、この私ひとり。何て素晴らしい想像!
「ですがマダム。申し訳ありませんが、僕達は教学としての聖書を一度も学んだことがないのです」
「これから何時だって学べますわ。なんなら今度の日曜日、司祭様にお頼みして……」
「生まれてこの方、一度も教会に足を踏み入れたことがなくても?」
 
 
 
……その言葉の意味を理解するのに、彼女は酷い努力と苦痛とを伴った。
「まさか、嘘でしょう?」
「嘘などと、一体どうして吐けるでしょうか、他ならぬ貴女に」
「ミサに参加したことが一度もないの?」
「はい、僕らは庶子として生を承けたので、教会の洗礼を受けていないんです」
そういった例があることは耳にしている。不道徳な、ふしだらな関係の果てに産み落とされる、呪われた子供。不吉で澱んだ印象と目の前の穏やかに微笑む少年とがどうしても結び付かない。
彼女にとってはキリスト教徒でないことは、即ち人間でないことと同義であった。
一瞬感じた嫌悪感を咄嗟に同情心とすり替えたのは、まずまず上出来の欺瞞だったと言える。
「辛かったでしょうね……大丈夫、天の父は常に我が子の行く末を見守っているものですよ。ましてそれが群からはぐれていた息子ならば。父は九十九匹の群よりも一匹の羊が見付かったことに喜びを感じられるお方だから!」
「随分と聖書の語句をご存じですね」
こうして自分が彼らを見出したのも、彼らを哀れまれた神による配慮なのだと思える。
輝くばかりの姿を見れば、特別に加護を受けて生まれてきたという、その御心は疑いない。特に愛する子であるが故に、苦難と暗黒の内に彷徨う試練をお与えになったに違いない。
「わたくしに任せて…?」
大金さえ寄進すれば、呪われた私生児とはいえ教会としても無碍にはすまい。他家の養子にでもすれば、胡散臭い稼業からも手を放し、彼ら兄弟を罪への道から救い出すことが出来るだろう。
「お気持ちは嬉しいですが、マダム……」
変わらず穏やかで曖昧な、少し困った笑みを浮かべて、弟はやんわりと救いの手をはね除けた。
予想外のことに。
「僕らは既に自分の神を、他に見付けてしまったのです」
心底残念そうに肩を竦めて。言う。
「ねぇ、兄さん?」
何時の間にか書物へと視線を戻していた兄の、肩に手を置いて弟は楽し気に笑った。今し方まで会話を聞いていないように見えた兄は、顔を上げると。
「……Ash-had an-la ilaha illa-llah、アラーの他に神は無し? 」
無邪気とも、邪悪とも見える、不可解な笑みに顔を歪めた。
「ヒッ!……」
禍々しさ。
「なん、て……恐ろしい……」
その不可解な戦慄の異国の言葉は、彼女には全く意味が理解出来なかった。
そして、それだけで彼女が嫌悪感を感じるには充分だった。
異教徒。悪魔崇拝主義者。幾つかの単語が警句が、彼女の脳裏をぐるぐると凄まじい速さで駆け巡る。
「この悪魔!呪われた異教徒…!」
慌てて胸の前で十字を切った。そんな彼女の狼狽を、愉快そうに兄弟は観察している。ああ、初めに彼らから感じた禍々しさ、嫌悪感は全く正しかったのだ!
あらゆる偽りと欺きに満ちた者、悪魔の子、全ての正義の敵。
悪魔はしばしば天使の姿をとって現れる。信仰深い者を、その美でもって謀り、誘惑する為に。傲慢さによって堕天し、地獄の業火に焼かれる己が同朋を、一人でも増やそうとして。
幼い容姿を持つ子供達は、正しく悪魔が遣わした罠以外の何物でもなかった。
「主人を……騙しているのね、そうでしょう!?」
一刻も長く口を利くのも苦痛だった。呪われた因子を空気中に撒き散らす、その汚染された場所に留まることにすら恐怖を感じる。やはり図書室になど来るのではなかった!
「ご自由に想像頂ければ」
じりじりと後退る彼女を嘲笑うその表情が、今もって美しくあどけなく無垢に見えるからこそ、余計に恐怖心はいや増すのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
「兄さん、悪ノリしすぎ」
「だってお前、あの展開じゃこう、信仰告白する場面だろ」
この館の女主人が逃げるように立ち去ったのを見届け、苦笑混じりに弟は兄を咎め立てた。
「確かに偉大だと思うけどさぁ。片っ端から異端呼ばわりのこっちよりか、余程度量があるよな」
「まぁ、あっちはあっちで色々あるみたいだけど」
本気でアルフォンスも兄を非難する気があった訳でなく、年齢に不相応な大人びた仕草で肩を竦めるに留める。
「俺達が信じるのは科学の叡智、この世の真理とも言うべきそれ自体」
「一は全、全は一。同じ神秘家でも我は神なりと断言出来るハッラージュの境地は羨ましいね」
「違いない」
顔を見合わせて笑った。別にイスラム教を信仰した覚えはない。地中海世界の正当な発展を受け継いだアラビア科学、それを宗教の名の下に弾圧せず内包したあの文化に、敬意を表しているだけで。彼らの心は外へ外へと。漠然とした憧れはオリエント世界、更に海を越えて東方、植物から生成する紙や火薬すら生んだ驚異の世界へも。
四大元素。それは第五元素の存在、世界という概念によって一つの普遍に統合される。それが彼らの信じている黄金。真実。
「そろそろ引き上げ時だったから、丁度良かったよね」
「あのオバン気に食わなかったし、スッキリしたじゃん」
エドワードは立ち上がり、頭の上で両手を組むと伸びをする。
「あーゆー手合いが一番ムカつくんだよな。亭主が実の娘にナニしてんのか知りもせず」
「僕はその亭主を殺したい位だけど」
「金払いは良かったじゃん。あの程度の俗物の方が扱いやすいよ」
「そうだね………どうせ長くないし」
アルフォンスは兄の背後に回り、その腹に腕を回した。幼子のように甘えて身を寄せるが、数年前からその背を追い越した弟の姿勢はやや不自然ではある。
己の首元に顔を埋める弟の髪を、兄は優しい手付きで撫で付けた。
秘薬と称して飲ませ続けた水銀は、彼らの雇い主の身体を確実に蝕んでいた。神経を冒され正気を手放しつつある男は、不調と苦痛を訴えつつもその原因が何であるかも知覚出来なくなっている。
迫る死に怯え、ますます不老不死の薬を切望して錬金術に縋る。
その手を振り払い醜い体を蹴り倒す想像で、兄を穢した貴族への殺意を辛うじて宥める。
そんな弟の心情が手に取るように把握出来ているのか、エドワードは慈しむような眼差しでアルフォンスの抱擁を受けている。
「さて、と。あの女が騒ぎ立てる前にこんなトコおさらばするか」
「うん、兄さん」
必要な荷物は用意していたし、それ以外は既に焼き捨てていた。
主人の娘の手引きで、館まで食材を届けに来る農家の荷馬車に隠れ、夕方にはここを出て行ける手筈になっている。
サン・ジャック・ラ・ブーシュリ教会に顔を出せば、同業者と情報交換でもして。次の行き先はそれから決めても遅くない。
死にかけた貴族以外、誰も姿を消した子供達のことになど構わなくなるだろう。夫人に至っては、胸を撫で下ろして安堵するに違いない。
「実験の排水が家畜の死ぬ原因とは思わないだろうしなあ」
「多少人間にも中毒が広がったって、悪魔の仕業だと思われるだけだよ」
「まあな」
無知を嫌悪しながらも、その無知を利用して生活の糧としているのが自分達に他ならなかった。真善美を同一視したくなる愚かな感性に付け込んで。
「神様が実在してたら、地獄行きは確実だよね」
「俺と一緒に来てくれるんだろう?お前」
地獄へだって何処までも。
「決まってるじゃない」
甘やかなエドワードの声に誘われるように、アルフォンスはその金色の髪に接吻けた。
その場面すら、外観上は幼き天使の戯れとしか全く言い様がない。
一時彼らに差し込んだ陽光はすぐに閉ざされ、暗闇の中を縫うように生きていくのが今後も変わらない、アタノールの炎に身を捧げた彼らの運命だったにせよ。
 
 
 
 
 
鋼いんでっくすに戻る


なんじゃこりゃ。
篠田真由美やら藤本ひとみが「鋼の錬金術師」を書けばこんなかんじ、とか言ってみたいのですが、明らかに挫折気味。
大仰な言い回し考えるのに途中で疲れちゃうしさー、落としどころは見付からないしさー。
つくづく己の身の丈を越えるような考えを持っちゃいかん、というのがこの話の教訓です(えー)。

元々何が言いたくて、という本来の動機は、西洋史もオカルト学も門前の小僧以下の梓がふと思った妄想でした。
実在というか中世ヨーロッパの錬金術師がしばしば悪魔崇拝主義者と混同されるのは、彼らがアラビア科学の継承者だったことでムスリムと誤解されたんじゃないかと。
ほら、サバト主催してる山羊顔でボインな悪魔のバフォメットさん、あの名前はマホメットを悪魔化した概念ですもん。
しかしサバトは金曜日なので、寧ろユダヤ教の集会がモチーフなんだろうか……どっちにしろ、 異教=悪魔 なキリスト教感覚。
暗黒工房」さまで発見したバフォメットさん。


そして本来の目的を離れて暴走していく設定厨の魂は留まるところを知りませんでした。
服装とか、大体の時代を決めとかないと困るよねーとか言ってるうちにコレです。何時の間にか14世紀フランスの地方領主館です。
いえ、多分続編とか書きませんけど。