☆COMICS(漫画)

…『JOKER』勧めちゃ駄目ですか。そうですか、そうですよね。
じゃ、横光あたりで(極端な…)。
意外と私が三国志マンガ読んでないのか、そもそもあまり売ってないのか。不明。

横山光輝『三国志』
全60巻+3(事典・おもしろゼミナール・大百科)
潮出版社 希望コミックス


吉川英治原作の、日本人的スタンダード三国志マンガ版。
私の三国志遍歴の原点ですが、世間的にも入門書的役割を果たしているのではないでしょーか。漫画文庫化もされてるし。何故か我が家の1巻は初版なので(1巻と2巻以降の間にブランクが…)、背表紙が劉備の顔だったり。おもしろゼミナールは、アホらし過ぎて笑える。
人物の顔が書き分け出来てないとか、官渡があっさりとばされてる!とか、女の色気ナッシング!!とか、
董卓スリム過ぎ!!!とか、今になって思えば文句をつけたい所も多々あるが、魅力ある作品であることには変わりなし。孔明死後も蜀の滅亡まで書いており(1冊分だが)、末期ファンにもある程度優しい。劉ェ自殺エピソードは泣ける…。
まあなんというか、一番のポイントは
三白眼曹操カッコイイ!!…ですが(笑)。
次点は徐庶・オブ・サリーパパ(笑)。趙雲はドカベン山田だが、演義の記述的には間違ってない…。いつか無双張遼の「山田ァーー!」に振り向く横光趙雲の絵とか見てみたいもの(笑)。
とことん蜀メインなので、魏や呉のメンツは十把一絡げ扱い(元々演義が…)。荀や郭嘉はなんじゃこりゃあ!な冴えないおっさんビジュアルな割に、程は何故か男前。そして、管理人的には横光以上に男前な徐晃は見たことない。……今になっても一番イメージ通りだと思うのは、実は韓馥だったり。

最近大百科なるものが出たが、アニメ再放送でブーム来てるのか?内容的には大したブツではありませんでしたのう……事典とゼミナールの中間テイスト。



王欣太『蒼天航路』
(李学仁/原案)

全36巻
講談社 モーニングKC


確か17巻…じゃなくて18巻まで読んで、買ってた父が飽きたのを機に一時撤退してたが、最近人の薦めもあり復縁。地元の市立図書館にも置いてあるのに、台湾では18禁だった。笑。
曹操主役のネオ三国志という奴。今ドキの三国迷的には横光より普及率高そうなので、今更説明する必要がない気もしますね。曹操がやたらめった格好いいが、その所為で奴のヤな所が隠れてる気もして、ファン心理は悲喜交々。丁夫人可愛かったですけどねー、みんなでお風呂入るシーンが好き(笑)。
そして、軍師連の活躍が目立つのは良いところ。荀、可愛いとはいえ前歯…。(^^;) 周瑜と王佐問答している時は格好良し。丸々1巻分かけて丁寧にその死を描いていたが、色々詰め込みすぎて凄いことになっていた気配も……。
呂布は人類外の容姿だったが、陳宮との愛に涙。ある意味呂陳の元祖……。
なんというか、赤壁前後で作品としての印象が変化。アンチ演義的なキャラ救済漫画なスタンスは共通しつつも、より正史寄りになったというか、レギュラー陣が徐々に後退していった結果マイナー系の出演率が高くなり。悪い意味で言えば脇役が小粒化したと思うが、それに伴う天才曹操の、超人であるが故の孤独なども描かれていくのだろうか…。曹操vs伝統の戦いは当初からテーマとしてあったが、後半に進むにつれそれが文学vs儒学という形で先鋭化してきたようでもある。
……なんというか、
変態孔明の前には全てが霞んでしまいそうな気もする訳ですが(笑)。図書館で立ち読みした時、台湾の18禁措置は正しいと思いました……。



片山まさゆき『SWEET三国志』

全5巻
講談社 ヤンマガKC
(現在はメディアファクトリーMF文庫で入手可)


気の抜けた絵柄の、ギャグマンガ三国志。後半の展開はかなり駆け足だが、全5巻で三国志の流れが理解出来るというのは、かなり画期的(笑)。
何故か風の噂で評判高いと思ってたら、本当に面白かった…。あの絵とあの内容では、多少の歴史改竄なんぞ気にならないもの。貂蝉が劉備の第二夫人になってる辺りは、決戦Uの先取りか?(笑)
は、最初はデコとか微妙だったが、次第に可愛くなっていくマジック(愛)。悪魔ルックで進言してる姿などは、そのままテイクアウトしてしまいたくなる愛らしさ。
ってゆーか、蒼天航路、かなりSWEETの影響受けてるのではなかろうか、などと憶測しちゃったり。呉人が関西弁だとか(蒼天の孫夫人)、荀一族がちっちゃいとか、袁一族がサルだとか(笑)、徐晃が天然さんとか(愛)、思い当たるフシが多すぎ……。あ、程の顔が長いのも(笑)。
しかも最後ら辺は素でホロリ。笑いだけで構成されてる訳でもなく。
関羽「劉備とワシの間には他人には気持ち悪いほどの堅いキズナがある」
孔明「あなたのようなお人よしの治めるお人よし王国をつくってみたかったっス―――

・゚・(ノД`)ノ・゚・

長らく絶版だったが、最近漫画文庫化して入手が容易になったことは素直に喜ばしい。巻末オマケ読みたいなあ(笑)。



大島やすいち『英雄三国志』
(柴田錬三郎/原作)

1〜3巻
集英社 時代劇ファンコミックス



どこまで準拠してるか知らないが、集英社文庫でリニューアルした柴錬小説のタイアップ漫画らしい。掲載誌「時代劇ファン」て、なんて水を得た魚(笑)。どうせビジュアル三国志の石ノ森プロ並のブツだろうとの想像に反して、普通におっさん漫画として面白かった。やはり先入観は良くないと反省(何度目だか)。
画面の見せ方が上手いのかなーとか、正統派ストーリー(桃園結義してないけど)と見せ掛けて柴錬はやっぱり偉大なのかなーとか、色々思いつつ、究極的には関張のキャラがいい…というより張飛可愛いよ!ラブリー!!
女性ファンへのサービスに、劉備にちゅーを迫って嫌がられる張飛のシーンも……って別に嬉しくない……(死)。
まさか柴錬に罪はないだろうが、ランペイジといい時代の最先端は張飛×劉備なんですか?みたいな。
とか思ってたら実は
陳宮×曹操漫画だったことが発覚。寝顔が美しすぎて殺せないネタは、横光アニメが柴錬を元ネタにしたものだったのか激しく気になる。

あ、サブタイの末尾に必ず「!!」ついてるのが素敵。



白井恵理子作品  
『STOP劉備くん!!』 全3巻  角川書店 あすかコミックス(現在はMFコミックスで復刊)
『GOGO玄徳くん!!』 全3巻 潮出版社 希望コミックス(現在はMFコミックスで復刊)
「随尸鏡」(黒の李氷・夜話シリーズ2『鬼神来迎』所収) 角川書店 あすかコミックス(現在はホーム社漫画文庫で入手可?)
「火蛾の楼閣」「春華宵綺譚」「青龍飛翔異聞」「曼珠沙華哀恋歌」(『その日仙境に竜はおちて』所収)
 角川書店 あすかコミックス(現在はホーム社漫画文庫)

白井恵理子と言えば『STOP劉備くん!!』。人形劇をベースに天華ネタがちょっと混入した四コマ三国志。JUNE系雑誌で連載されてたクセに、何でこう健全なのかは不明。最近は別冊あすかだか何だかに載っていたような。桃園三兄弟より、馬超とか姜維の方が何故か目立ってる…というより
諸葛瑾。とことん周瑜がやられ役なのに涙。雑兵Aを部下に持ったが運の尽きか。
『GOGO玄徳くん!!』も同じ流れを引く四コマだが、流石に天華ごっこはしないらしい(笑)。角川より潮の方が基準が厳しいのか、GOGOの方が面白い気がする(1巻限定)。が、孔融や「かくかほうこうみっちゅー」ネタが消えたのは寂しい…。STOP・GOGO共に、大笑いするというより、うっすらと唇の端で微笑んでしまう笑いを提供してくれる。
「随尸鏡」は李氷シリーズ中の短編。二喬+周瑜が出てくる。つーか小喬大暴れ。主人公(男)に口移しでさくらんぼ食べさせる周瑜の姿にちょっと引くが、文句なしにイイ男。四コマのやられ役と同じ作者が描いたとは思えない(笑)。
『その日〜』は、表題作は激しく設定に無理のある楚漢(?)モノで、それ以外は全部後漢末舞台の華宵・緑の師弟モノ。曹操がめたらやった格好良し。四コマのサトイモが食べられない人とは別人(笑)。少年時代の曹操が袁紹の妹とお付き合いしてるっぽいが、彼女が高幹の母になったりしたら嫌だ…。そして曹操の奥さんが董卓とデキてる設定……い、嫌なんですが、実際曹操ってば卞夫人置いて一人で洛陽出奔してるので、白井恵理子のトンデモ設定の中では、まだあり得るシチュエーションだったりするのでした……。
なんと言いますかね、全般的に、絵ヘタクソですよね。よくデビュー出来たもんだと感嘆。



長池とも子『三国志烈伝 破龍』
1〜3巻
秋田書店 プリンセスコミックス



あの長池とも子が三国志漫画を!と梓を狂喜乱舞させた、プリンセスゴールドで連載中の超少女漫画的三国志。
横光しかマトモに読んでない…と言いつつ巻末解説漫画に人形劇ビジュアルの絵を描いている、自己謙遜甚だしい三国志歴28年の作者。平然とメインキャラに丁沖とか持ってくる辺り、ホントただ者ではないと思う。三国志知識と漫画家としての技量、どちらをとっても非常に安心して読める良作だが、表紙のハダカエプロン鎧だけは勘弁して欲しい……物凄く店頭で買い辛かったんですが(-_-;;)
時代順に描いていくのではなく、作者の書きたいキャラを好き勝手に選り取りみどりして次々に恋愛させていくのだと予想される。ネタの発想重視?
一応主軸は曹操・孔明・周瑜(?)の三人ぽい。3巻はぶっちゃけネタ切れ?という位面白くなかったですが、4巻収録分ではまた持ち直してる印象。




滝口琳々『江東の暁』
全2巻
秋田書店 プリンセスコミックス



やっぱり策瑜は若いおなご向けなのか…と思わせる、孫策と周瑜の少年時代物。ただし健全(笑)。
如何にも少女漫画〜な画風と展開にげんなりしてしまう時もあるが、時代考証はかなり…いや、無茶苦茶正確だったりして、なかなかに侮れない。ま、この作品より「北宋風雲伝」読んだ方が滝口姉妹の力量は明らかだと思うのですがね。「江東〜」時代は、はっきり言って大した漫画家とは思ってなかったが、私の認識不足……。まあ初コミックゆえの物慣れなさもあったのだと推測。
孫策と孫権の間の妹は、正史(呉夫人四男一女出産+嫁いでる娘が二人存在)と演義(孫夫人は妾の子供)の両方の記述を採用すれば存在して然るべきだが、……ちょっと目立ちすぎ。(^^#)
ちゅーか滝口琳々、「江東の暁」デビュー以来、おこがましくも一方的にライバル視してたけど、最近の売れっ子具合に挫折気味……既にただのファン(笑)。



諏訪緑『諸葛孔明 時の地平線』
1〜13巻
小学館 プチフラワーコミックス



「鬼人」孔明ではなく、等身大の普通の孔明青年を描こうという姿勢が清々しい、最近の注目株。
典農部屯田民の総数とか、なかなかお勉強してらっしゃる。色々読んだんでしょうね、諸葛菜とかそーゆー小ネタに精通してるのは、元々三国志好きだった可能性大。
ただ、作者個人のイデオロギー的な部分が多少鼻につくのが難点か。綺麗事過ぎるというか、この時代に民主主義でも謳う気かい。棗祗を水鏡門下にしてるのは何だかなあ…。
思想的には統が好きかも。キャラとしても、あーゆータイプはかなり好き。別に醜男じゃないのも高ポイントなのだ…が、服装、古代中国人じゃない(汗)。中国人らしからぬ外見では華佗がダントツとはいえ。
あと外見云々するなら、周瑜は攻っぽいが、好みです。あれでいです。むしろ理想の周瑜です。
しかし曹操…。あの
マッチョ。蒼天航路の曹操も背高すぎだが、いくらなんでもありえないヨー。身長コンプレックスの余り北斗の拳ワールドから影武者を雇ってきたとしか思えない(崔の先代か?)。絶対衝立の陰とかモブの中に本人が潜んでるに違いないと目を血眼にして読んでる管理人(笑)。
ジャンヌ・ダルクのように「あなたが本物の王太子様ね!」とか見破れない孔明は、匈奴の使者以下ということで(笑)。やはり若さがネックか……(真剣)。

薄紅的注目ポイントとして、荀さんの空箱事件の描き方は案の定現代的なイデオロギー概念が強く臭ってた訳だが。とはいえ曹操への共感と背反、司馬懿へ遺志を託す辺りの陰湿でエグい描写はかなり凄味があって、結果として深い解釈と読後感になってたと思う。
主人公である孔明の目下アンチテーゼ的な存在である司馬懿が、人格的には余程善良で政治感覚も穏健だというのがこの作品の興味深いところ。孔明は自分の持つ破壊衝動を抑えてるかんじだが、司馬懿は元々そういう願望抱いてないから…。




桑原祐子『三国志断簡』シリーズ

『三国志断簡 空明の哥』(「花天月地」「黒風之爪牙」「信風」「戀」収録、
                番外「戀」以外それぞれ初出は『夢幻夜話』・『幻影夜話』・『星宮夜話』)
『三国志断簡 地涯の舞』(「瞑天星行」「仁」「青灯哥」「春陽抄」収録、
                番外「春陽抄」以外それぞれ初出は『金鈴夜話』銀鈴夜話』『水鏡抄』)
集英社 アイズコミックス

断簡シリーズとでも称せば良いのだろうか。朝香祥が旋風江の続き書かないし…と思ってたら今度ビーンズの方で書いたが、それは兎も角自らオリジナル三国志に手を染め始めた模様。
「花天月地」は郭嘉モノ。内容はオーソドックスに、曹操に夢を託した郭嘉の半生、仕立て。郭嘉・曹操・荀の3人しか出てこない。
殿と郭嘉の信頼関係を微笑ましく見守りながら、ちょっぴり羨ましく思っている文若どのだが、…この人は何故こーゆースタンスが激ハマリなんだ(笑)。どこを切っても曹操×郭嘉以外の何物でもない作品とはいえ(ホモ臭ぷんぷん)、もう私、このビジュアルで郭嘉×荀想像出来ます(オイ)。

「黒風之爪牙」は陸遜の関羽討伐モノ。陸遜と呂蒙のキャラデザ、無双の影響を受けてるんでは……などと言うと各方面から刺客が放たれたりするのだろうか。で、陸遜部下の子岐と呂蒙麾下の伯言って誰よ。オリキャラか?オリキャラがあまり堂々としてても萌えないので、 仕方なく子岐は謝旌に違いないと脳内補完しちゃうぞ☆ (※謝旌:関羽討伐と夷陵戦で陸遜麾下として活躍。演義では夷陵で張苞に殺されるがホントは多分生きてる)。 ならば伯言は李異だったりするとシンメトリーの美?

なのに、「信風」では孔明×姜維の二人のため世界はあるの状態……。孔明が妙にエロ系なのは蒼天の影響だったりしたら超嫌だ(死)。無双+蒼天、これ最強(…)。醒めた二人が可愛くない会話を交わしながら、ついうっかり熱い夢に殉じちゃった話。
孔明の意志を継ぐ姜維というテーマが全編通して一貫してる所為か、物語にブレが少ない代わりに個人的には深みも足りてない印象。馬謖も鍾会も一コマでスルーされちゃったし、魏延出てこないし。なのにオリキャラは出演してるのだね…。→上官子脩は実在の人物だった。

……初出読んだ上の時点では結構点の辛い評価をしてるのですが、単行本に纏められてるのを読めば、ついうっかりジーンときてしまった。(^_^;)郭嘉にしろ陸遜にしろ、ラスト近くの見せ場で2ページ見開き、コマを縦切ってるところなんか。
一冊になることで独特のテンポみたいな波が生まれているようで、バラバラに読むよりは単行本Ver.は推奨かも。タイトルはどうしても「くうめいのアニ(哥)」と呼んでしまう……(死)。「うた」だっつの。

そして単行本1冊出たからもう描かないかと思ってたのにアンソロジー連載再開、「瞑天星行」典韋モノ。
「登場人物ヒゲオヤジばかり」で作者自己申告「ムサ苦しさ八割増」と言いつつ、実際のところ桑原さんの絵のタッチがあっさり調で全然微塵もムサ苦しくないので、寧ろ武将漫画としてはそっちのが問題かと……。

「仁」は趙雲ドリーム漫画。ていうか趙雲大好きですな桑原……なんか読んでて恥ずかしい(笑)。描き下ろしは2冊とも趙雲話だし。
恥ずかしいと言えば「青灯哥」の凌統と甘寧の背中合わせ大ゴマも妙に照れ臭くなる……内容がベタベタの友情モノだから?周瑜の外見は美人さんながら、旋風江時代より大人で男っぽい。まあ、あれは朝香オリジナル周瑜だからと言ってしまえばそれまでだが、矢張り無双の影響を感じなくもない(笑)。




東山聖生「風燭」
『天仙』所収  角川書店 あすかコミックス


直接三国志という訳じゃないが、後漢霊帝死後から袁紹の宦官皆殺し辺りが舞台の、…ホモ(笑)。
美貌の宦官小貴さん(張譲の養子)がヒロイン。そして彼を迎えに行く為に袁紹軍兵士になっていた、故郷の契兄厳青。引き離された恋人達が再会した時、運命は彼らを敵味方の関係に追いやっていたのだった…、みたいな。
宦官とは皇帝のホモ愛人だという誤解に拍車をかけた恐るべき作品。きっと曹騰も(オイ待て)。
彼らの故郷である福建で男色の風習が盛んとは聞いたことがあるが、…明代くらいの記録じゃなかったっけ?それ。まあ、南朝の建業にも陰間茶屋あったみたいだし、いいのか。
曹操は1頁、通算5コマしか出てないが、袁紹と殆ど書き分け出来てないので、作者の中ではかなりどうでも良い人物だったろうと推測する次第。



青木朋『ふしぎ道士伝 八卦の空』
1〜2巻
秋田書店 ポニータコミックスα



主人公は管輅。漫画ではおっとり、眉毛が特徴の小動物系。一見主人公に見える(笑)狂言回しの紀玄龍氏は管輅伝の裴注にちょっと出てくる管輅の同郷人(ちくま正史では何故か元龍になってる。中華書局は玄龍だから、恐らく漫画の方が正解)。史実では漫画みたいにお調子者の色男だったのか不明です、ていうか一箇所しか名前出てこないので実像は完璧に謎(笑)。漫画に出てくる紀冥ってフルネームも創作じゃないのかなあ。あとは出てくる史実キャラは曹叡くらい。皇帝の側近にして恋人、オリキャラの祝英青は男装の麗人つながりで祝英台が元ネタ?と思ったら、作者もその旨ちゃんと明記してました。単行本未収録分に司馬師・司馬昭兄弟が出てたらしいですが、自分の目では確認出来てません。
主人公達はホームズとワトソンの如き関係。管ちゃんが推理して紀玄龍が助手するというより、玄龍の持ち込んできた事件を管ちゃんが解決してあげる、という一話完結型のホラー?寧ろ神仙ファンタジー。全体的にほのぼのテイスト、絵も綺麗で衣装も描き慣れてて、かなり読みやすいです。
ていうか司馬懿くんの作者さんだったんだ!(^_^;)←今気付いた
2巻辺りは管輅の師匠である東方朔(!)が敵として立ちはだる続き物のストーリーが中心に。管ちゃんを仙界に連れて行きたいが為に玄龍を亡き者にしようとする展開の中で、二人の友情の強さが読者の目にも明らかに、……って、なんか男同士の三角関係……?(汗)ある程度はそういった解釈の余地も残しつつ、基本は友情、の筈。管輅のビジュアルが可愛いマスコット的な感覚なので、画面的には大してホモっぽく見えないのかも(笑)。



大西巷一作品
『JOKER−女−』1〜4巻  講談社 アフタヌーンKC
『曹操孟徳正伝』1〜3巻 メディアファクトリー MFコミックス


JOKERは色々と怪しい異色三国志。なんと孔明が(ネタバレ反転)
一巻で死んでしもうて、彼の妻になる予定だった記憶喪失の女性が「諸葛亮」に成り代わる。で、その女は古代殷時代の系譜を引く、悪の巫女だったりして
孔明が
ネタ自体はさほど珍しい趣向じゃないが、呪術と神話の世界に両足突っ込んだ所為でエログロ花盛りと化してしまったというかなんというか。あんまり若い方にはオススメ出来ません(笑)。マンガ版『陋巷に在り』みたいなモノとはいえ、こっちの方が視覚に訴えるだけにグロさが際立っとりますな。
儒者と軍師と魔術師と司祭をごっちゃにした所為で、得体の知れないモノに戦況を左右されてしまい、挙げ句の果て最後は怪獣大戦争。私は共工大好きなので大喜び(笑)。
人気がなかったのか、孔明主役モノとしては異例の、長坂にすら至らないままの打ち切りっぽい終了を迎える。
儒教が古代祭祀から発展したとか、民族紛争の果ての神殺しとか、天の概念とか、言ってることの一つ一つを取り沙汰せばそんなに間違ったことは言っていないのに、何故それが集まるとこうも奇天烈なストーリーとなるのか。
……ってゆ
ーか!この漫画の最大ポイントはさんな訳ですが!!ムッハー!!!(興奮)
美人です。ヒゲを剃れば美女になれるかもしれません。ジュディ・オングみたいな衣装着たりします。舞います。刺客やスパイは全員誑し込んで自分の崇拝者に仕立て上げます。「いつにもまして美しい!」とか言われます(笑)。鏡眺めてたら荀攸に「かつての潁川の美童も容色の衰えが気になるか?」とか言われてしまいます(爆)。
そして曹操ラブ故の嫉妬の余り、劉備を斬り殺そうとします(私の腐目にそー見えただけ)。……うん、荀らしいね……(黄昏)。
他のキャラで注目!なのは、如何にも幸薄そうなやつれた徐庶とか(イメージぴったり・笑)、雑兵どもにレイプされそうになるツリ目気味の劉封とか、なんか勘違いしたハリウッド役者みたいな荀(本性は父に似ず下種)とか。惇とか程とかは紹介されなくても見分けつきますが、やはり蜀メインなので魏キャラは曹仁以外その他大勢扱い。しかし曹真と曹休は萌え。
呉からは唯一陸遜のみ登場でしたが、打ち切り(クサイ終了)の為、結局どんな役回りになる予定だったか不明…。


孟徳正伝は正史ベースに独自の歴史考察を加えた曹操漫画の決定版(と思う)。まあこの作者の例に漏れず、劉協の父は曹操カヨ!というトンデモ設定はしっかり組み込まれているのですが。軍師・武将陣もオリジナリティ溢れる面々でありながら、何故だか各人のイメージをこの上なくきっちり捉えてきてるのに感服。程とか。郭嘉はオカマさんだけど(笑)。
しかし作品のメインデーマが袁紹と曹操、時代に引き裂かれた愛!!みたいになってるのは……。別れても好きな人。
袁紹との決着のついてしまった官渡以降は駆け足展開で、赤壁敗戦で慌ただしく終了。……打ち切り?みたいな気もするのですが、孟徳正伝のない三国志マガジンがそれに代わるどんなメイン漫画を用意出来るのか、今後が甚だしく不安。




佐々木泉『江南行』
1巻
メディアファクトリー MFコミックス


大らか、かつ頭も切れる「大人」魯粛が、江南の地に慣れ親しみ、新しい国の形を模索する話……が本筋だが、この作品の目玉は毎回の如く頻出する周瑜=神さま、な言辞。ローカルなところから始まった尊崇の感情が、集団幻想としてどんどん一人歩きしていく過程を裏テーマとして描いているのかもしれないとも思わせる。1巻時点では赤壁前夜まで描かれているが、戦勝、そして死後、周瑜の名は人間としての実像を越え、呉の守護神として伝説となっていくのであろう。
大抵は二人揃ってニコニコしてるが、この周瑜も魯粛も一筋縄ではいかない難儀な人ですことよ……。特に周瑜、かなり屈折してる。
戦争シーンとかも多いのに、どことなく穏やかさを感じる空気感。江南の風土ならではというべきか、佐々木の作風というべきか。



志水アキ作品

『怪・力・乱・神 クワン』1〜4巻
『異郷の草』

メディアファクトリー MFコミックス


『クワン』は正確に言うと舞台は後漢末で、三国志とは微妙に時代ずれたところから開始。が、主要人物に曹操がいて、作中で思いっきり黄巾の乱に突入していくので三国志マンガと見なして構わない筈。
神仙ファンタジーに道教成立史を絡めてくる構成で、山海経+後漢書ベースに、封神演義や列仙伝的なテイストも加えつつ、と。
妖怪を食する謎の少年クワンの、ルーツ探しの物語。神仙の力を前に人は何が出来るのか、という話でもあるのだろうか。襄楷を筆頭に、于吉、左慈と、三国志モノでお馴染みの道士さん達もさり気なく且つ続々と登場。単純な痛快娯楽バトル作品としても面白い漫画です。

クワンが志水三国志演義ならば、『異郷の草』は正史に相当する作品集。キャラ造型自体が正史寄りなのに加え、人物一人ずつにスポットを当てた短編集という構成からして正史っぽい。
表題作たる孟獲の話のみストーリーにもキャラ設定にも無理があるが(孟獲漢人説はこんなのじゃない…)、それ以外の話は、人生の喜びとか悲哀とか人間性の発露とかを表現しきった佳作揃い。個人的には鍾会の話が大好き。
甘寧の話に、さり気なく于吉が(名前は明記されてないが)クワンまんまのビジュアルで登場してて、二つの世界がある程度リンクしているということが伺える。



末弘『アレ国志』
全1巻
メディアファクトリー MFコミックス


三国志マガジン界きっての寵児…と言えば聞こえはよいが、明らかに編集部に便利に使われてそうな気配の漂う4コマギャグ漫画。単行本でまとめて読むよりも、雑誌で毎号読んでる方が楽しい、まさに雑誌連載の為に存在する作品だと個人的には思う。単行本にまで、編集(&作者)による柱コメント付けっぱなしで、本気で二人三脚……。
「馬謖ショック!」の語を生み出し社会現象となったが(狭い社会で)、作者自身は流行語の一人歩きに色々と思う所があったらしい……がそのコメントすらネタでないという保証はない。
単行本用語辞典などを見る限り、ビジュアル的なネタ元はアングラ系アーティストが多いらしいが(T.M.リクソンはアングラ…?)そんなん全然知らない私も毎号読んで笑って大いに楽しめた。勝因はキャラ漫画の予兆を孕みつつも、全部のネタが三国志の内容に準拠したものであったこと。人形劇+天華パロに始まり時事ネタに帰着した某4コマが反面教師だったのなら面白いなあ。
ていうか、黄夫人……腐女子でコスプレイヤーでショタコン(痴漢・犯罪系)な彼女の存在が一読者としてかなり酸っぱかったのだが、全ては笑いの為であり、別に腐女子三国オタに喧嘩を売ってる訳ではないと信じてますよ………大体マトモなキャラ殆どいないしね!この漫画。
とうたくさんやちょーろ様の可愛さは異常なレベルに達している。出番は少ないが全身タイツの袁術(ピンク)も結構好きかもしれない。



吉永裕介『ランペイジ』
全3巻
講談社 アッパーズKC



三国演義+捜神記……だと作者はちゃんと解ってるのだろうか。伝奇設定の三国志モノか、三国志の人物を使ったファンタジーなんだか、非常に判断に迷う漫画。
典型的な青少年漫画の主人公っぽい張飛(ややヘタレ)が、邪悪な蛇矛に精神を乗っ取られないようにする為に度胸を付けようと頑張る話。
頑張った張飛青年には、もれなく女の子劉備とのラブコメが付いて参ります(笑)。テンプテーション!妲己ちゃんかよ!!取り敢えず北斗と南斗が全て悪いのだけは確かだと。
他には関羽の髭が貧相だったり、いきなり趙雲が黄巾ステイタスで登場したり、簡雍がオカマさんだったり、大阪弁を操る「伸竜」なる人形劇リスペクトキャラがいたり(しかしほぼ100%伸助で構成されている)、良くも悪くもチャレンジャー精神は感じる漫画だ……。
張飛の周りをウロウロしている女の子が夏侯惇の姪だったことが発覚し、つーことは=夏侯淵の姪=張飛の嫁!?みたいな衝撃が。ていうか左慈がおにゃのこかよ!? Σ(´Д`lll)

連載終了した途端になんか面白い漫画だった気がしてくるのは去り逝くものを惜しむ心持ち(笑)。ありがちに第一部完、てっきり打ち切りになったのだと思ってたら、単に雑誌自体が休刊になっただけだった。疑ってスマヌ。版権問題さえ何とかなれば別雑誌で続編を描くことも不可能ではない的なことを3巻の後書きで述べていたが、楽しみに待つと同時にこのまま美しい想い出にしてしまいたい気持ちも存在する読者心であった。




塀内夏子『覇王の剣』
全4巻
講談社 週刊少年マガジンKC



学生時代は世界史が大嫌いだったという作者はそもそも三国志知ってたのか、その辺からして危うさを感じなくもない少年漫画。
気に入った人間悉く勝手に兄弟呼ばわりする関羽(三白眼)の所為で、自分の知らないところで気付けば三兄弟になっていた孤児の張飛と官軍の下ッ端劉備、みたいな。関張が十代の少年なこともあって劉備が珍しく頼り甲斐ある長兄だが、そんな少年の関張が大層な青龍刀やら蛇矛持ち歩いてるのが違和感ありまくる…。
1、2巻の時点では真剣につまらない漫画だと思っていたが、曹操が出てきて以降はまだそこそこ読める展開だった。少年漫画にはライバルキャラが必須という法則が図らずも証明された形か。だって2巻までの敵ってうんざりするくらいチンケだったし。
ストーリーが反董卓連合に入り、かなり面白くなってきたところで終了。がーん…!!Σ(゚д゚lll)そして4巻の裏テーマは呂陳愛の劇場だった(笑)。



nini『DRAGON SISTER!−三國志 百花繚乱−』
1〜3巻
マックガーデン ブレイドコミックス



季刊コミックブレイドMASAMUNEにて連載中の萌え系オタク漫画。一部の武将が女の子化してしまったという頭悪い設定。絵は結構可愛いと思う。
今までで女体化が発覚しているのが張角三兄弟、関羽、張飛、諸葛亮、蘇双(馬商人)、夏侯惇、夏侯淵、董卓、徐栄、呂布、華雄、李典、楽進。恐らく登場人物の半分以上が女になるのではなかろうか…。君主系が男、武将系女、参謀系半々くらい。その中できっちり男性である趙雲が、逆に異色に見えてくる。
おそらく両手に女の子を侍らせた劉備と曹操が義妹たちとラブコメりつつ、ライバルとして対決していくのだろうが、……見たいような見たくないような(汗)。
といいつつ劉備が受々しいこと極まりないので、そりゃ義妹たちもつい守ってあげたくなるよなぁ、と頷くことしきり(笑)。ランペイジとは丁度逆のスタンスだが、どちらにせよ劉備は姫だった。(-_-;)



池上遼一『超”[三国志]覇-LORD-』
作・武論尊
1〜2巻(現在7巻まで発行)
小学館 ビッグコミックス


三国志モノだと言うことで父が買ってきたが、かなり余計なお世話だった。ていうかどこからどこまでがタイトルよ?(いちゃもん)覇と書いてロードと読ませる気か。
卑弥呼の恋人だった倭人の青年が中国に出奔、悪劉備ぶった斬って成り代わり、関張手懐けて桃園の誓い…らしい(死)。
卑弥呼は曹叡時代だよ!とか奴国が金印貰ったのは西暦57年だよ!!(主人公は奴国出身で以前にも中国を訪れたことがあるらしい)
色々と突っ込みドコロは多い漫画だが、取り敢えず趙雲の睫毛と口髭が超キモい(笑)。
←風の噂で男装の麗人だったらしいと聞いたんだが……えええマジ!!?Σ(゚д゚lll)
……実はあまり関わりたくない……(-_-;;)どうせ劉備に成り代わるなら、可愛い女の子の方がいいなー(笑)←奇書三国志?
 だから心情的にはniniより三国志度は下判定(えー!)。



塩崎雄二『一騎当千』
1〜12巻
ワニブックス ガムコミックス


三国志の英雄達が、何故か現代日本に転生し、何故か格闘しているという、色々唐突な設定の漫画。
一部は女の子に転生してしもうた元武将達が、今日も元気にぱんつ見せながら戦います。…何重にも腐れてる。
主人公は、胸はデカいが頭の弱いジョシコーセー孫策ちゃん。幼馴染みの周瑜君が男なのに、妙に策瑜くさい。周瑜がボコられて「よくもー!」とかパワーアップする孫策ちゃん(死)。
……これ、ホントに三国志マンガとして紹介して良いのだろうか……?(汗)
巻が進むにつれ、時系列すら三国から外れつつあるのが気になるところ。孫策生きてる間から赤壁だし。
頻出する胸ポロ、パンチラの域を超えたぱんつモロ出し。その辺は読んでると麻痺してくるが、単なるこけおどしと甘く見ると、私のように陳宮事件で泣くことに……。・゚・(ノД`)・゚・ 呂布主従の末路は感動だったが、彼女達は作者公認でユリだったのだなあ。
目下最大の関心事は、荀出るか否か。不安でヤキモキしてたが、司馬懿すら登場してる昨今ではもう登場する余地もなさ気っぽい。



真壁太陽・壱河柳之助『ブレイド三国志』
1〜3巻
スクウェア・エニックス ガンガンコミックス



何故か22世紀を舞台に(→二千年の時を越え、と言うのがキリも良くて格好良いからだと推測)、三国武将の生まれ変わり達が戦いを繰り広げるという一騎当千的な設定(笑)。作品世界内では腕力より“タオ”、即ち超自然的な力がバトルの源らしい。何が起こっているのか一見不明ながら、画面はド派手。
上記の通りの未来設定、にも関わらず孫策がレトロな暴走族らしい……とかの事前情報を聞く段階では、漲るトンチキ臭におっかなびっくりだった。が、読んでみればなかなか熱血バトル少年漫画的な展開で、意外と美味しく頂けた。頭で考えるよりもソウルで感じる系(笑)。
一騎当千と違って覚醒前の各武将は各々現世での名前を持っているので、ぱっと見は誰が誰の武霊士なのか解らないのも魅力の一つ…ではあるが理解を妨げてるのもココなんですよねえ……。作者が三国志好きなのが読んでて伝わってくるのには素直に好感が持てる。
1巻と2巻前半は孫策覚醒編(極道の息子で暴走族の頭)、2巻後半は趙雲編(怪しい薬剤師)。3巻は丸々外伝で華陀(女王様系ショタ)、郭嘉(色男で策士)、黄月英(電波系アイドル)。外伝キャラだと、3巻表紙にもなった郭嘉が一番三国志の原型留めてるかなー…(^_^;)
ガンガン、Gファンタジー、ガンガンカスタムと3誌を股に掛けて作品発表しており、作者サイドとスクエニのよく解らない意気込みだけは熱く伝わってくる。7月からガンガンで本編第二部も始まるらしいが、予告を見る限りでは学園モノ……に、なるのか?
しかし武霊士と書いてブレイドと読ませるのは無理がありすぎる!明らかに「ぶれいし」やん!!士と土をごっちゃにしてはいけません(笑)。



秋野めぐる・篠崎司『新三国志 雷霆の如く』
全1巻
メディアワークス 電撃コミックス



取り敢えず三国志というより宮崎駿オマージュ。武将の名を冠したラピュタのロボット兵みたいなのを操る、クシャナみたいな女の子曹操。そして親戚の、年下オリジナル少年…って、ちょっと待て!?夏侯博って、武帝紀に劉備軍の将として名前が載ってる……。200年の、徐州で叛乱起こした劉備を曹操自ら討伐した際、生け捕りにしている武将(多分ここ以外に出てこない)。モデルにしたのか、それとも偶然同じ名前なだけか。
夏侯惇・夏侯淵・曹仁・曹洪の四人がロボット。この四人(?)はさほどでもないが、量産型のロボットは本当にラピュタのアレ。もう腕とか完全にアレ。
絵もちょっと古くさい感じが宮崎臭を醸し出し、まぁ頑張って描いた中国風の背景にもマッチしてないこともないのだが、明らかに電撃系のテイストじゃないよな……。明らかに掲載紙を間違えてそうなかんじだが、巻末の「終」の字、1巻の文字が単行本に表記されてないことからも、これで完結してると見るべき。人気なかったのかな?(^_^;)
曹操以外の史実キャラとしては、曹操の幕僚として満寵・劉曄、何故か黄巾賊の一支部として韓馥・荀(笑)、あと主人公夏侯博の祖父として夏侯嵩という人物が。これって曹操の親父の曹嵩がモデルだよなー…。
そしてロボット夏侯惇の無敵っぷりに、人間の惇ってこんなに強かったっけ?とか思ってしまった(笑)。



宇多川友恵『猫さんごくし』
1巻
光栄



次郎長三国志とか天正三国志とか、極道三国志みたいなタイトルにだけ三国志つけてる類かと購入前はびくびく。実際は登場する武将が全員猫なだけで、ちゃんとした三国志漫画(?)。武将の半数以上が美少女な一騎当千と同程度には三国志(笑)。
ゲントク総受か?総受なのか!?寧ろ孔玄なのか!?と動揺しきりの内容に見えるのだが、単に梓の目が腐っているだけで、一般的にはほのぼの可愛いネコちゃん三国志なのだと思われる。
以下、ブログ再録の登場猫物紹介(勝手な私見)。本当は片仮名表記ですが、文字数食うので漢字で表記。

・玄徳/無邪気、というより能天気。初対面の相手誰にでも鼻チュー(親密な挨拶)を行い男心を惑わす、罪作りな子猫。
・関羽/基本的に「ムフウ」しか言わない寡黙な黒猫。猫にはモテないが人間にはモテモテ。
・張飛/色気より食い気。だが玄徳が自分にだけ鼻チューしてくれてないことが引っ掛かっている。
・孔明/引きこもり。ラブリーな外見に反して、現実的な策士だったりムッツリだったりする。
・子竜/玄徳の元カレ、という訳ではないが孔明からの嫉妬を被っている。
・玄徳の母/前歴不明だが大層な女傑っぽい。

・孟徳/小さいことがコンプレックス。野望の数値が高い(シミュレーション的な表現で言えば)。
・夏侯惇/生真面目な性格だが、華麗なもの(孟徳・玄徳母)に憧れを抱きがち。
・夏侯淵/楽天家?恋のライバルは張角(チーズくれる人間のお姉さん)。失恋した。
・許/のんびり屋ですぐ寝る。

・張角/悲惨な過去を持つツンデレ。
・貂蝉/俊足の峰不二子。
・董卓/かつては野良猫界の英雄、今は飼い猫。
・呂布/貂蝉好きという以外のプロフィール不明。強いらしい。
・周瑜/1巻では出てきたばっかで役回りなどは不明だが、ナルシストなことだけは良く分かる。



『三国志アンソロジー 武将乱舞』
双葉社 アクションコミックス


あからさまに無双を意識した書名。そしてアンソロジーという条件を考えれば……アレです、こんなものですか(苦笑)。
良い意味でも悪い意味でも同人臭いというか、どっかで見たことある絵混じってるというか、どこからプロでどこからアマかよく解らない……。
頑張って健全ライン内に押し込めた感の漂う趙雲受と孔明受はともかく、“きっと心は郭荀”や“多分一応呂陳”がばっちり載ってたので、取り敢えず私は幸せ(笑)。
まあ、全体的に蜀贔屓で、呉の印象が物凄く薄いのは気になった……。
個人的に一番期待してた秋乃茉莉がなんと劉禅で、着眼点は良いのだが作品としてはちょっと△評価。いやまぁ絵的には抜群だけど。
そしてカバー裏返せば“SSSボーイズラブシリーズ”の広告で、この本も双葉社的にはやっぱりホモシリーズの一環なのかと戦慄(死)。中身が云々と言うより、本屋で手に取りにくい、素面では正視出来ない、妙に読後は気力が減退という、恐るべき三重苦の一冊かもしれない。



『三国志 天下三分計画』
ジャイブ アンソロジーコレクション


あからさまに同人アンソロジー(中身は全部書き下ろしっぽいけど)にも関わらず、プロも執筆してた『武将乱舞』よりも桁違いに面白かった……。
『乱舞』とて面白い作品ありましたけど、『三分計画は』全部の作品が悉く面白いんですもの。とんでもないぜ。
……そりゃあねー、現在の三国志・無双同人の最高峰たる方々の競演ですもんねー。あと無双4コマの…あれも同人の人??(地方人の疎さ)
トップクラスの同人は場合によっては中間レベルのプロよりもレベルが高いという、微妙に普遍的か否か判断に迷う仮説の誕生。

ていうか三国志界は広いようで狭いから、絶賛にしろあんまり個々の同人屋さんに対する感想は言いにくいっス。
あ、主要人物一覧っぽいページに荀さん載ってて超嬉しかったーって、そりゃ中身に出てたからだわさ。(^_^;)
他の人の紹介より、なんだか物凄くやりづらそうだったのは何故…(笑)。無理に「子房」とか「王佐」とか説明せんでいいよー(苦笑)。筆頭幕僚とか留守番役とか(笑)、東郡守ったとか献帝迎えたとか官渡で激励したとか空箱……腐女子的な萌えポインツではないのだか……。(-_-;)一番のアレは「弔問の使い」…ってやっぱり解説が必要な難儀なお人。

全体的な絵柄として、オリジナルと無双と横光が上手い具合に融合して昇華されている様に結構感動(主に一般兵)。
衣装とかアリエナイくらいに弾けてる方が、より好きですけど(笑)。



他、風の噂とか本になってないのとか、そんなの。

■山原義人『龍狼伝』。有名です。現代の少年少女が三国時代に飛ばされて、軍師だかなんだかになって戦ってる話。現在も連載中の筈。っていうか、どうなってるのか知らん。
赤壁の辺りの巻を、以前某先輩のお宅で見せてもらったことがあるが、周瑜が幸薄い水商売のネエチャンみたいな顔立ちだったことが印象的。すっかり悪の化身として扱われてる哀れな仲達(実は本人も別に存在してるらしいね…つくづく可哀想な)と手を組もうとしてたが、あの後どうなったんだか……。女々しい周瑜はNOとか言ってる割に、龍狼伝の周瑜は美人で好きです(笑)。無双の周瑜が好きなのと似たような感情か。
ストーリー自体はどうでもいいので、買う気はナッシング。

李志清『三国志』。漫画文庫のカバーかかってない巻を、パラパラ立ち読み。劇画チック。
怒ったら顔の輪郭すら変わってしまう周瑜に涙。ちらりと荀さん登場シーン発見しましたが、普通のおじさんながら衿がおしゃれで、流石令君だと感心したことです。

■園田光慶『三国志』。悪評芬々。とにかく美形っぽいキャラは軒並みすごいことにされてるらしい。陸遜とか周瑜とか。今現在最も関わりたくない三国志漫画。素人にはお勧め出来ない。
呂布が陳宮を真っ二つにするって話だし(真っ二つ大杉)。怖いなあ。
……まんだらけで1巻チラチラ見ましたが、芙蓉姫とか出てるし。その後も目撃機会はあったのですが、張飛が弟の肉を食すエピソードとか、張温の活け作りとか、……エグいんだよ全般的にヽ(`Д´#)ノ

■とみ新蔵『早わかりコミック 三国志』。全三巻で三国志の何が判ると言いたいんですが。
やっぱり劉備が主役。演義に忠実なのかと思えば、なんだか貂蝉の最期とかオリジナル…?荀
当時の人から見れば美形かもしれない)が壁にデコぶつけて死んでいた。怖。

■本宮ひろ志『天地を喰らう』とかも三国志漫画らしい。中身は知らぬが、ゲーム化もされたようで。
あと、父の三国志サードインパクトは『青春の尻尾』(小池一夫?)との話にショックを受けたり(死)。ハチャメチャエロ漫画…?断片を聞くだに、一生そんなんに関わるもんかと固く心に決意。何コマか見せられたが、絵的にはタチの悪い横光パロくさい。名誉毀損で訴えられそうだと思った。





レビュウ一覧表にモドル。