「……のぅ、普賢」
「なぁに?」
普賢は太公望に覆いかぶさる形で半身を起こす。
「わしは今から楊ぜんのところへ行ってくる。」
体を起こしかける太公望を普賢は自らの体を倒して押さえ込む。
そして、そのまま無言で目を閉じる。
「……普賢…」
「……………」
「……行かせてくれぬか…?」
「……………」
うつろに目を開き、太公望を見つめる。そして軽く微笑んで、また目を閉じる。
「……普賢…」
「……………」
「……………」
「……………」
「……普賢……?」
普賢の前髪をそっと撫で上げてみる。
「……寝おったか……」
小さな寝息をこぼして眠る天使に、太公望は思わず笑みをこぼす。
そして一度深呼吸をすると
「…さて、……どうしたものかのぅ……」
そうつぶやいて目を閉じたが最後、
再び眠りに落ちていった。
そのうえで普賢がゆっくりと目を開く。